大江山花伝

2012年4月21日 演劇
2009年宙組博多座公演舞台映像を観る……。

大江山花伝。

美しくて儚い。

時は平安時代?

大江山に棲み、都に悪さをしにくる
茨木童子は、酒呑童子と都の姫の間に生まれた
鬼と人間の合いの子で、鬼の一族の跡継ぎとして
しもべを率いて都に現れては暴れて居た。

源頼光と言う時の権力者の信任厚い渡辺綱は鬼退治を命じられて
大江山に入り、以前から因縁の間柄だった茨木童子と、敵対しながら
も奇妙な友情をはぐくんで行く。

鬼と人間の対比。

人間の方がむしろ鬼で、

鬼の方が人間らしく描かれるのが妙に面白くてリアルだ。

美しくて儚くてリアル。

よくわからないけど、能や狂言のような世界観の作品のようだ(知識が
無いのでわかりませぬ)。

茨木と、かつては良家の姫で今は身分を隠し渡辺綱の家で召使をしている
ワケありの女性藤の葉(かつての名は藤子)の儚くて激しい愛。

茨木は人間である母親によって、一度鬼の世界を断たれ、人間として
育てられた時期があった。藤の葉はその頃の幼馴染で将来を誓った
筒井筒の仲。

せっかく再会したのに、二人はお互いに、相手に対して
正面切れない背景を持つ身になって居た。

渡辺綱と共に大江山に入り捕えられた藤の葉の
望みは、大江山で死ぬこと。それが叶うなら本望だと。

もはや人間の世界の縁を捨て、ただの鬼になってしまった
茨木に、藤の葉は「あなたこそ誰よりも人間らしい」と
伝える。

その気持ちは茨木に届いたのだろうか、茨木は、救われたのだろうか。




…とけて儚き うす紫の 夢の狭間にたゆたいて
あとに残るは風ばかり 風ばかり♪ 『うす紫の恋』

↑主題歌(らしい


茨木と藤子(藤の葉)の幼い頃の思い出の情景は、藤の花とともにあって、
そもそも藤子の家族が藤の花が好きな一族だったと言うことだ…。

ストーリーは、ただ鬼退治にまつわるあれこれをふくらませた感じなのかなあと
(正直)言う印象なのに、ただただ全ての出来事が藤の花のうす紫のオーラに包まれて、美しい。

鬼ってどういう人たち(人じゃないか・・・)なのだろう。この話の中では、
鬼=山に棲む妖術を使う魔性の者、として描かれている。

もうすぐ藤の花の季節…だったと思う。もはや藤の花のイメージ=儚くて
妖しいうすむらさき…のイメージだ…。大江山花伝おそるべし。原作も
読みたい…。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索