『スルース』by四季。
http://www.shiki.gr.jp/applause/sleuth/

2人の男。
上流階級の推理作家は妻の浮気相手である旅行関係経営者
の若い男性(若いツバメか?)を邸宅に招いて2人ともに
利益のある(?!)、「ゲーム」を提案する。

いかにも海外ミステリーっぽい感じで
うまいこと「小道具」を使った推理や
謎は渋いなぁと思う。

田舎の金持ちの邸宅って感じの洋館、
暖炉があってランプがあって・・・
と言う設定の舞台美術は、クレジットが
外国人風の名前になっていたけど、
その道では有名な世界的な方が手掛け
たんだろうか?この作品のいっちばん
の見どころって言うのはこの舞台美術
にちがいない。ご主人がダジャレを言う
と笑いだす気味の悪い仕掛け人形とか
・・・・・どんなセンスだ。金魚鉢の
中には生きた金魚まで泳いでいるから
驚き(オペラグラスで確認済)。

ある意味ネタバレになるけど、
この重厚で少し気味悪くて
ハイソサエティで精巧な舞台
美術が、演出上の理由で
ある瞬間めちゃくちゃになる。
跡形も無いくらいに。

ところがどっこい休憩をはさむと
もとどおりに片付いている。

なんじゃそりゃ。

舞台美術や小道具も含めて、
登場人物それぞれが
何の意図で何がしたいのか、
よく分からない展開も多いが、

そのよく分からない感じが
妙なじわじわくる恐怖心?
と言うかサブミリナル効果
のような感覚で人間心理を
揺さぶってくれます。

2人の男をこんな展開にまで
する「女」(推理作家の妻)
は2人によって「語られる」
だけで、実際には登場人物
としては出てこない。

そのことによって
男対男の戦いだったり
見栄の張り合いだったり、
上流階級対庶民みたいな
この話の舞台のイギリス
ならではの階級社会を
皮肉ったような部分も
垣間見れる。

でも一番気になったと
いうか印象に残ったのは、

推理作家は、推理小説の
世界にハマりすぎた結果、
自分の好きな設定で
完全犯罪を犯したり
刑事や警察の取り調べ
を皮肉ったりすることに
命を懸けたりする、
そんなおかしい人
に見える。

表向きは妻と離婚して
交際相手である娼婦だか
別の女と結婚したいと
言っているけど、
本当の深層心理では
「犯罪を楽しみたい」為に、
快楽としての殺人や
道楽としての犯罪、
と言う領域に足を
踏み入れようとする
どうしようもなく
ある意味愚かな人
なのではないだろうか。
そんな人物像に見えなく
も無い。

作品としては
玄人好みと言うか
渋い、難しい
感じだと思う。

いろんな残像や
余韻を残す作品。

何回もドンデン返される
から結構観るのにパワーが
要る。


コメント

ANNA/NANA
2011年2月5日7:13

へぇ。オモロそうねぇ。
マイケルダグラスとかがやったらハマりそうね~。

redeye-yan
2011年2月7日17:38

マイケルダグラスと言えば最新作観たいんだ!
ハワイにも劇やミュージカル観るスポットある?
映画館はぜったいあるよね?

ANNA/NANA
2011年2月7日19:12

もちろんハワイに映画館あるよ~!
でも字幕ないからあんま見ないなぁ。館内は冷房ききまくっててめっちゃ寒いし。
そういやこないだ試写会発見した!
ハワイでも試写会デビューするか(笑)

あとこの映画、ジュードロウなのね?
彼も悪役はまるよね~。リプリーとか大好き。是非見てみて!

redeye-yan
2011年2月8日23:32

ハワイ試写会デビューしてみて(笑)。
リプリーは観た気がする。
太陽がいっぱいのリメイクやんね?
たしかに観た。

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